・日本より労働時間が短いのになんで仕事まわるの?
・フランス人って残業しないの?
・びっくりするくらい長いバカンスが取れるって本当?
という疑問をお持ちのかたも多いのではないでしょうか。
私自身、日本で当たり前に長時間残業をして仕事で疲弊していた時に
と、考えていました。
その後、フランス留学中にモンサンミッシェルのお土産屋さんで実際に働き、フランス人の彼の家族やその周囲の労働状況を聞いてみた結果、『残業が少ないのは本当だった』ということと、『労働時間が少なくても仕事がまわる理由』がわかりました。
パリのオフィスワークともなれば、長時間残業も存在するようです。
労働時間
フランスの労働時間は週35時間です。全ての企業がこの時間内での労働を定めているわけではなく、週35時間を超えた時間は残業時間とみなされます。
例えば、1日に7.5時間、つまり週37.5時間働く場合、給与計算上は2.5時間は残業時間とみなされます。(35時間を超過した分の時間は割増の給与が支払われる)
ですが、給与計算上は「残業時間」とみなされるとはいえ、本来定められている労働時間内の勤務ではあります。
そのため、本記事では本来定められている労働時間を超えた部分を「残業」として説明していきたいと思います。
実際に働いたお土産屋さんでの残業は
残業をすることは一切ありませんでした。
基本的にお店のオープンは9時半、クローズは18時で、閉店後は就業時間内にレジ閉め作業をして終わりです。
季節によって営業時間や働き方は若干異なるものの、基本的には全員同じ時間に働き始め、全員同じ時間に帰宅するようになっていました。
オープン前に着いて支度しなければいけないなんてことはなく、9時半ピッタリにお店に着いても大丈夫でした。(むしろほとんどの人がギリギリに到着)
そして、翌日の営業のために残業するなんてことはありえませんでした。
たとえば閉店間際に忙しくなって商品棚がぐちゃぐちゃになっていても、翌日の営業のために残業して商品棚を直すなんてことはないです。終業時間が来たら帰ります。時間内にレジ閉めが終わらなかったら翌日に持ち越すこともあり、とにかく帰宅が優先でした。
身近なフランス人の労働時間
従業員用のバスの時間があるため、モンサンミッシェル内のお土産屋さんの多くが大体同じような時間に開店・閉店していました。
ですが、一部の店舗では、観光客が多い日は閉店時間を延長しているところもあり、その場合は従業員の方は残業していました。(とはいえ、何時間も残ることはない)
また、郵便局員であるフランス人の彼の父親は、いつも7時半勤務開始で15時頃に仕事を終え、夕方から自分の時間を楽しんでいます。
法律で有給休暇の日数が確保されている
同じ場所で1年勤続した場合、30日間(5週間)の有給休暇が付与されることが法律で義務付けられています。だからこそ、長いバカンスを楽しむことが可能です。
ただ、どのくらいの期間連続して休みが取れるのかは働く先によって異なります。
私が働いていたお店では夏が繁忙期のため、夏は交代で1週間ずつ休み、他の時期に長い休みを取るという形態を取っていました。
なぜ残業しなくても仕事がまわるのか
このように考えたのも、フランスの生活で待たされた経験が多いからです。
サービスレベルを落としてでも決められた時間内でできることしかやらないという働き方のため、残業せずともうまく仕事がまわっているといえます。
さいごに
法律で休む権利が確保されており、自分の時間を確保できているフランス人の生活を羨ましく感じるかもしれません。
しかし、日本と比較するとフランスのサービスレベルは低く、不便さを感じることもあります。
(日曜日にお店が開いていない、病院の予約は何ヵ月も先、ストライキで交通機関が動かない etc...)
日本の生活もフランスの生活も一長一短かと思います。