
新しいテキストを買った瞬間が、いちばんやる気に満ちている。…でもその後、日々の忙しさに追われて手をつけられない。
「フランス語の教材を買ったのに、全然進まない…」
「やる気はあったはずなのに、気づけば本棚の奥に眠っている…」
そんな経験、きっと一度はあるはずです。実はそれ、あなただけではありません。
この記事では、フランス語の教材を続けられない人に向けて、今日から実践できる5つの習慣をご紹介します。
① 学習時間は“短くていい”が続くコツ:ハードルを下げよう
フランス語学習が続かない理由のひとつに、「まとまった学習時間が確保できない」という声があります。しかし実際には、一度に長時間学習することよりも、“学習を継続すること”のほうが、習得の面でも定着の面でもはるかに効果的です。
「週末にまとめて3時間勉強しよう」といった長時間の学習目標は、予定が崩れやすく、結果として挫折につながりやすい傾向があります。
だからこそ、短時間でもまずは“継続すること”を最優先に考えるべきです。
たとえば、「5分だけ単語帳を開く」「1フレーズだけ音読する」といった、ハードルの低い行動を目標にすることで、自然と学習が生活の一部になっていきます。
・単語帳を5分だけ眺める
・1フレーズだけ音読して発音を確認する
・フランス語の例文を3つだけ書き写す
・フランス語で今日の気分を1文だけ日記に書く
・お気に入りのフレーズを声に出しながら1つ覚える
・音声教材を聞きながら、聞こえた単語を書き出す
ポイントは、「やる気が出てから始める」のではなく、「やる気がなくてもできるくらい小さな行動」からスタートすることです。たとえ「今日は問題を5問だけ解こう」と決めていても、始めてみたら意外と集中できて、予定以上に取り組めることも少なくありません。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、「今日もやれた」という成功体験を積み重ねることです。まずは日々の学習を続ける土台を作るところから始めましょう。
② 歯磨きのように習慣化:学ぶタイミングを固定しよう
“気が向いたときにやる”学習スタイルでは、たとえ「たった5分だけ」と思っていても、なかなか始められなかったり、継続が難しくなりがちです。やる気やモチベーションに頼らず続けるためには、「やるタイミング」をあらかじめ決めておくことが非常に効果的です。
たとえば、歯を磨くタイミングが毎日ほぼ同じように決まっているように、フランス語学習にも「このタイミングでやる」というルールを設定しておくと、自然と行動が習慣化されていきます。
ここで効果的なのが、心理学でも知られる「if-thenプランニング」という手法です。これは、「もし◯◯したら、△△をする」とあらかじめ行動パターンを決めておくことで、実行率を高めるという方法です。
たとえば、
- 朝コーヒーを淹れたら、この文法書を1ページ進める
- 電車に乗ったら、この単語アプリを解き続ける
といったように、すでに日常にある習慣の後に“フランス語学習”を組み込み、「このタイミングでやる」というルールを設定しておくと、自然と行動が習慣化されていきます。
この「決まったタイミングで学ぶ」というリズムができると、学習は“やるべきタスク”ではなく、“やって当たり前の行動”になっていきます。忙しい中でも続けるためには、この小さな仕組み化がとても大きな力になります。
ポイントは、「同じ時間に」「同じ場所で」「同じことをする」ことです。あらかじめ学習のパターンが決まっていれば、「今日は何をやろう?」と迷うことがなくなり、思考の負担が軽減されます。その結果、学習がより“当たり前の行動”として根づいていきます。
なお、毎日取り組む必要はありません。 たとえば「平日の朝だけ、起きたらすぐ学習する」「日曜日だけはオンラインレッスンを入れる」といったように、自分の生活リズムやペースに合わせて設定すればOKです。
重要なのは、“続けられる形”に最適化すること。無理のない頻度とタイミングで学習を習慣化することが、長期的な継続と成果につながります。
③ 自分に必要な部分だけを選ぶ:完璧主義ではなく実用主義になろう
フランス語のテキストは、「最初のページから最後まで、すべてやり切らなければならない」と思っていませんか? 実はその考え方こそが、学習のモチベーションを下げてしまう大きな原因です。
大切なのは、“すべてをやること”ではなく、“今の自分に必要な部分だけを効率よく使いこなすこと”です。 学習の目的が違えば、必要な内容も変わってきます。
便利な一言フレーズが載った表現集を使っている場合、「これは絶対に自分は言わないだろう」という表現まで無理に覚える必要はありません。
たとえば、こんな例文はマルっと覚える必要はありません。
🔸Je suis producteur de films indépendants. (僕はインディーズ映画のプロデューサーです)
→ 実際にそうでない限り、使う機会はまずありません。自分の本当の職業に置き換えて覚えたほうが実用的です。
🔸Je participe à un concours de dégustation de fromages. (チーズのテイスティングコンテストに出場します)
→ フランス文化として面白い表現ですが、日常会話で使うことはほとんどないでしょう。
それよりも、「旅行先で道を聞く」「自己紹介をする」「レストランで注文する」など、自分が実際に使うシーンが想像できる表現に絞って学習する方が効果的です。
🔸友達との会話で
・J’aime aller au cinéma.(映画館に行くのが好きです)
・J’aime le fromage.(チーズが好きです)
🔸フランスに行った時、マルシェやレストランで
・Je vais prendre ce fromage, s’il vous plaît.(このチーズをください)
・Est-ce que vous avez un fromage à me recommander ?(おすすめのチーズはありますか?)
使わない表現をいくら覚えても、実際の会話で出番がなければ「使える感覚」は身につきません。 その結果、「覚えているのに話せない」という状態に陥ってしまいがちです。
完璧を目指すのではなく、実用主義で成果を出しましょう!そのほうが、学習効率も、継続率も、確実に上がります。今の自分にとって「本当に必要な内容かどうか?」を見極めながら、学習に取り組んでいきましょう。
④ 学習進捗・履歴の"見える化"でモチベを維持しよう
語学学習が続かない理由のひとつに、「やっているのに成果が見えない」「成長している実感がない」という声があります。 実際、勉強は目に見えにくいため、コツコツ頑張っていても“やった感”が得られず、途中で挫折してしまいがちです。
だからこそおすすめなのが、学習の「見える化」です。
学習時間・内容を可視化することで、自分の努力が「数字」や「記録」として積み上がっていきます。 特に「時間」を記録しておくことで、後から振り返ったときに「これだけ勉強したんだ」と自信につながるという効果もあります。
学習の見える化の一つの方法として、以下の動画で、Notionという無料で使用できるメモアプリを使用しながら、フランス語学習の計画・進捗・履歴を見える化する、学習管理の方法をご紹介しています。
ブログ内でNotionのテンプレートを無料で配布しており、テンプレートのカスタマイズ方法も解説しますので、Notion初心者の方でも安心して使いこなせる内容になっています。
Notionのテンプレートは下記のページより無料で配布しています。
⑤ 誰かが見てるが効く!人に見られる環境を作ろう
1人で学習を続けるのは、思っている以上に大変です。 「今日は疲れたし、まあいいか」と1日サボってしまうと、気づけば何日もサボっていた…なんてことも。
そんなときに有効なのが、“誰かに見られている”環境をつくることです。 ポイントは、“ゆるく、でも確実に共有できる仕組み”をつくること。
🔸XやInstagramなどのSNSで学習を投稿
今日これからやる教材の写真をアップすることで、「やるぞ」という気持ちのスイッチになります。もしくは、「このフレーズ覚えました!」と実施後に投稿することで、自分の学習が記録として残ります。誰かから「いいね」をもらえると、それが励みになるという方におすすめです。
🔸学習コミュニティに所属し、仲間と学習する
コミュニティによって運営スタイルはさまざまですが、たとえばZoomなどを使ってオンライン自習室が開かれていたり、グループチャット内で日々の学習内容を投稿し合ったりといった形が一般的です。SNSと違ってクローズドな空間なので、気軽に続けやすいという利点もあります。また、同じく頑張っている他のメンバーの投稿を見て「自分もがんばろう」と思えるのも、コミュニティならではの強みです。
🔸講師・コーチに報告し、毎回フィードバックやコメントをもらう
個別レッスンやコーチングを活用し、学習内容や進捗を講師に報告することで、「見てもらっている」という安心感が生まれます。SNSへの投稿とは違い、必ず特定の相手に見られているという実感があるため、自然と学習への意識も高まります。 また、毎回もらえるフィードバックや一言コメントが、たとえ小さなものであっても、継続の大きな支えになります。事前に「報告すること」を約束しておくことで、適度なプレッシャーも生まれ、モチベーションの維持に効果的です。
フランス語学習を続けるための「5つの習慣」まとめ
忙しくても、モチベーションがなくても、「続けられる形」を作ることさえできれば、フランス語学習はちゃんと習慣になります。
もう一度、5つのポイントを振り返ってみましょう
① 学習時間は“短くていい”が続くコツ:ハードルを下げよう
② 歯磨きのように習慣化:学ぶタイミングを固定しよう
③ 自分に必要な部分だけを選ぶ:完璧主義ではなく実用主義になろう
④ 学習進捗・履歴の"見える化"でモチベを維持しよう
⑤ 誰かが見てるが効く!人に見られる環境を作ろう
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。 まずは、自分が「これならできそう」と思えるものから1つだけ試してみるのでもOKです。
1週間、1か月と続けるうちに、時間や進める量を増やすことができたり、自分にとっての良いペースを見つけられるので、まずは始めてみましょう。